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カメのこうらぼし

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The Bridge 2

旅ガメとジョンじいさんとの会話はまだまだ続きます。

ジョンじいさん 「ウェールズは初めてかい?」

旅ガメ 「いえ、3年前に南ウェールズへは行ったことあります。 でも、北は初めてです。」

ジョンじいさん 「北と南とどっちがいい?」

むむむ・・・。 南とは決して言えません。

旅ガメ 「北の方が、自然が豊かかもしれません。」

ジョンじいさん 「そして、人間もいいだろう?」

旅ガメ 「はい。 フレンドリーですね。」

ジョンじいさん 「コンウェイに来る前に、どこに行ってきたんだ?」

旅ガメ 「バンゴーに泊まって、ボーマリス城とカナーヴォン城と、スノウドン山に行きました。」

ジョンじいさん 「そうか、そうか・・・。」

旅ガメ 「今朝は、あの、有名な駅、ほら、駅名が世界一長い・・・。」

ジョンじいさん 「ああ、あそこね。」

旅ガメ 「あの駅名、発音できます?」

ジョンじいさん 「無理、無理。 僕はウェールズ人じゃないから(← ベルファスト出身)。 マシューが教えてくれるよ。 ウェールズ人だからね。」

さっき、おばさんに代わって店番に入った若い男の子を指名します。 

旅ガメ 「そういえば、さっきから聞いていると、みんな英語で話してるよね。 ウェールズ語は使わないの?」

マシュー 「うん。 みんな、英語を使うね。 ウェールズ語は話さないよ。」

旅ガメ 「あなたもウェールズ語は話せないの?」

マシュー 「いや、話せるよ。 学校で勉強したし、テストもウェールズ語で受けたからね。」

旅ガメ 「じゃあ、英語とウェールズ語では、どちらが話しやすい?」

マシュー 「やっぱり、英語かな。」

そう言いながら、携帯で例の世界一長い駅名の正式名称を調べて、発音してくれました。

マシュー 「スランバイル#&X$@?!・・・・・・・・ゴーゴーゴッホ」

きれいな発音でした。 2回繰り返してもらいましたが、カメには覚えられません。 諦めました。

旅ガメ 「ウェールズ語で、helloってなんていうの?」

マシュー 「hello に相当する言葉はないんだ。 how are you? ならあるよ。 +&?$##。」

カメ、リピートもできません。 まったく未知の音です。

旅ガメ 「じ、じゃあ、ありがとう、は?」

マシュー 「デォハ。」 (← この ハ は喉から出す音です)

ようやく聞き取れました。 これだけ覚えて、よしとしましょう。

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ジョンじいさんとマシュー。

ジョンじいさんが、こっそり教えてくれました。 「マシューはカーディフの大学の学生でね。 母親はシングルマザーだから、彼は自分の学費を稼ぐために、昼も夜も働いているんだよ。 将来、学校の先生になりたいんだそうだ。」

他の客の飲み物を用意していたマシューが振り向きます。 「ジョン。 僕のことなんか言った?」

旅ガメ 「大学では何を勉強しているの?」

マシュー 「教育学さ。 将来は、小学校の先生になりたいんだ。 中学生より小学生の方がまだ素直だから、やりやすいかな?」

カメの脳裏に、クラスで教えている悪ガキ共の顔が浮かびます。 「・・・う、うん。 そうかも・・・ね。」

カメも大学の時、学費を払うために、バイトをしまくっていたんですよね。 マシューにも是非がんばってもらいたい。 どうぞ、彼の夢が叶いますように。

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そして、コンウェイの穏やかな夜は更けていくのでした・・・



 

 
# by kamenoko-ra | 2009-08-23 01:03 | 旅のお話

The Bridge 1

家に戻って終わったばかりの旅を振り返る時、懐かしく思い出されるのは決して観光名所と呼ばれる場所ではなく、結局、ありふれた街角の光景だったり、道端に咲いている名もない花だったり、電車に乗り合わせた子供たちの笑顔や現地の人々との会話だったりします。 そんなさりげない1シーンを求めて、自分は旅をしているのかなあと、カメは時々思います。


さて、不気味な雨雲から避難するために立ち寄ったのは、カメが泊まるB&Bから程近いパブ、The Bridge。

未だに一人でパブに入るのは勇気が要るものですが、入り口からチラリと覗いて雰囲気が良さそうだったので、そのままGo! 客はまだわずかで皆、電線にとまっているスズメのように、カウンターにとまっています。 ローティーンの娘とその父親、50代ぐらいの背の高いおじさん一人、そして7~80代のおじいさん一人。 おばさんが一人でお店を切り盛りしているようです。 カメがカウンターに近づくと、客は皆、このアジア人が一体何を言い出すのか興味津々といった面持ちで見つめています。

旅ガメ 「おいしいビターを飲みたいんですけど・・・。」

おばさん 「そうねえ。 このBanks'sがお薦めだけど・・・。 ちょっと飲んでみる?」

そう言って、小さめのグラスを半分ぐらい満たしてくれました。 カメが試飲している間も、他の客は黙ってカメを見ています。 爽やかな液体が、カメの喉を駆け抜けていきます。 気に入りました。

旅ガメ 「おいしい! これ、1パイント下さい!」

カメがそう言った途端、客が皆、安心したように笑いました。 一緒に笑うカメ。 和やかな空間です。

The Bridge 1_c0103182_23350100.jpg


カメが写真を撮っていると、左隣で飲んでいたおじさんが、「大丈夫かい?」と声をかけてくれます。 パブの中は薄暗くて、なかなかうまく撮れないんですよね。 

しばらくすると、今度は右隣のおじいさんが話しかけてきます。 

おじいさん 「俺、日本に行ったことあるぞ。 お風呂に入ったんだ。」

温泉のことでしょうか。 

おじいさん 「最初は恥ずかしかったけど、みんな素っ裸になっているし、俺たちも覚悟を決めて入ったんだ。 いや~、気持ちよかったなあ。 お風呂場の隣に床屋があったから、髪を切ってもらって、マッサージもしてもらった。 あそこは本当に良かった。」 

旅ガメ 「えー、そうだったんですか。 いつ日本にいらっしゃったんですか?」

おじいさん 「1946年だよ。」

旅ガメ 「は・・・・?」

聞くと、このジョンじいさん、16歳で海軍に入り、終戦後、アジア各地を回って、日本に来たそうです。

ジョンじいさん 「本州のキューリという場所に着いたんだ。 そこから少し奥に入ったところに、陶器で有名な村があってね。 そこで、揃いの茶碗と小皿を12コずつ注文したんだ。 目の前で、とても丁寧に絵付けをしてくれた。 切れ長の目をした美しい日本人女性の絵を描いてくれたんだ。 でも、完成までに時間がかかるから、出来たら船まで届けると言ってくれてね。 出航前に、ちゃんと届いたよ。」

戦後直後の日本の様子を、ウェールズで聞けるなんて思ってもみませんでした。 それにしても、その陶器で有名な村って、一体どこなんだろう・・・。 そして、キューリってどこ?? 久里浜?

ジョンじいさん 「イギリスに戻ってから、義理の母の家でその陶器を預かっていてもらったんだ。 でも、彼女ったら、それらを全部、戸棚の1箇所にまとめて置いておいたんだよ。 ある日、戸棚の棚がその陶器の重みで落っこっちゃって、なんと、大半が壊れちゃったんだ。 信じられない! もうっ! とても綺麗だったのに!」

ジョンじいさんは、時を経た今でも残念そうです。

私が数年前に、イギリスでインドネシアのテキスタイルに関して研究していたと聞くと、「じゃあ、もしかしたら、ベルファストの麻織物については聞いたことあるかな?」と、尋ねられました。 お恥ずかしいことに、カメ、全く知りませんでした。

ジョンじいさん 「ベルファストの麻織物はとても有名なんだよ。 俺は、14の時、ベルファストの麻織物工場で、weft boyをしていたんだ。」

weftとは横糸のこと。 ちなみに縦糸はwarpです。

ジョンじいさん 「俺は、軸に横糸をセットして、シャトルを左右に動かす仕事をしていたんだ。 大きな工場で、織機が1000近くもあったんだ。」

それは、すごい。 

ジョンじいさん 「その時の1日の賃金がxxxシリングさ。」 ← 残念ながら、金額を覚えていないんですよね。

そこに、パブのおばさんも加わります。

「私も10代の頃、美容師をしてたんだけど、その時の日給が「xポンドだったわ。」 ← これも覚えていない。

ここでおばさんが店を離れ、快活なおじさんが店番に入りました。

おじさん 「ハルから来たの? それじゃあ、ジョン・プレスコットに会ったことある?」

もちろん、ありません。

このおじさん、政治家だったそうです。 なんでも、当時、イギリス最年少でシティ・カウンシラーに選ばれたとか。 

おじさん 「もう、引退したけどね。」

パブにいると、いろんな人に会えるというもんです。 


 
# by kamenoko-ra | 2009-08-23 00:02 | 旅のお話

コンウェイ観光

お城を出たらもう3時過ぎ。 またお昼を食べ損ねていました。 ティールームに入ります。

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ビクトリア調のインテリアです。 

ランチメニューからWelsh rarebit with salad garnish と a pot of tea を注文します。

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コホン。 ・・・食べかけで失礼。 Welsh rarebit というのは、トーストの上にチーズをのせ、チーズが溶けるまで焼いたもの。 一言でいうと、チーズトーストですね。 

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席から見える窓の外。

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キャッスルストリート。 外に出ると、晴れ間が出てきました。

そして、次に訪れしは、アバー・コンウェイ・ハウス。 14世紀に建てられた商人の家で、コンウェイで一番古い建物です。

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内部は撮影禁止。 天井の梁が太くてとても立派でした。 壁や床が歪んでいるのも、その建物が古い証拠でしょう。

さて、次に向かおうとしたのは、プラース・マウルというエリザベス王朝時代の邸宅です。 ガイドブックによると、ハイストリートのどこかにあるはずだけど・・・。 

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キャッスルストリートと垂直に交わるハイストリート。 

ハイストリートを何度も行ったりきたりしたけど、どこにあるのかさっぱり分からない。 それらしき建物はあるのだけれど、鍵が閉まっている・・・。 しばらく悩んだ末、もう一度ガイドブックを見てみると、月曜日は休みと書いてある。 本日はめでたく月曜日。 残念でした~。


それなら、と、次に向かったのは、ここ。

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スモーレストハウス。 イギリスで一番小さな家。 ここに初めて住んだのは漁師さんで、身長が180センチ以上あったということです。

広さは4畳ぐらい。 奥にはかまどのようなものもあります。入り口の脇にハシゴがあり、2階に上がれるようになっていますが、小柄のカメでさえ、なかなか窮屈。

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かろうじて、2階にベッドがあるのが分かります。

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また雲行きが怪しくなってきました。 どこかに避難しないと・・・。 
# by kamenoko-ra | 2009-08-22 00:34 | 旅のお話

コンウェイ城

さて、3軒目3箇所目のお城、コンウェイ城です。

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このお城もエドワード1世によって1283年に建設が始まりました。 カナーヴォン城と同じ時期です。


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お城の入り口から眺める町の外。


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同じ場所から、タウンォールの中を臨みます。 霧雨のため、景色が霞んで見えます。


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それでは、早速入ってみましょう。 


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うおおっ・・・。 美しいお城だ、ここは。 左手地面に残る逆L字に並べられた石。 奥の逆L字から向こう側は、キッチン、製パン所、醸造所です。


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逆から撮ってみました。 左手の壁の向こうは大広間です。


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ここが大広間のあたり。 アーチの下に木で出来た橋が見えますね。 それと同じ高さに床があったんです。 橋の向こう側がチャペル、手前が大広間でした。 


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ここはその大広間の下、地下室です。 お酒でも貯蔵しておいたんでしょうかね。


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塔を下から見上げます。

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チャペル。 王様と彼の家族専用。 


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窓枠の形が美しいなあって思うんですよね。 すみません。 少しオタク入ってます。


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700年以上前に、この通路を王様の家来や兵士たちが歩いていたんですねえ。 どんなことを考えながら、歩いていたのでしょうか。


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お城の塀から撮ったコンウェイの町。


このコンウェイ城は、カメが今回訪れた3つのお城の中で一番保存状態が良いようです。 カメ、非常に気に入りました。


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お城の中の公衆トイレ。 カメ、この便座が嫌いなんです。 でも記念にパチリ。 





 
# by kamenoko-ra | 2009-08-20 12:43 | 旅のお話

コソウェイによラこそ!

・・・・ゴーゴーゴッホから電車で30分のところにコンウェイがあります。 カメの印象としては、バンゴーがリーズだとすると、コンウェイはヨーク。 もっとも、コンウェイはヨークほど大きくありませんが(駅も無人だし)、タウンウォールに囲まれた観光地という点では似ていると思いました。 「え~、全然違うよ~」という方がいらっしゃったら、ごめんなさい。 

今夜泊まるB&Bは、駅からすぐ。 タウンウォールのまん前にあります。 

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電車の到着時刻は知らせてありました。 ベルを鳴らすとドアが開き、中から出てきたのはなんと・・・犬。

旅ガメ 「ゲロ?」

カメ、別に犬が苦手なわけではありませんが、人間が出てくると思ったところに犬が出てくると、やっぱり驚くというものです。 その後ろから、ようやくオーナー登場。 「グリン、 こっちにおいで。」

呼ばれた犬は、大人しく指示に従います。 でも、やっぱり、新しく来たアジア人客が気になる様子。 

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オーナー夫妻とグリン君(2歳)

オーナー 「元々グリンは牧羊犬だったんだけど、牧羊犬としてはuselessだったので、僕が譲り受けたんだ。」

グリン 「ハアハアハアハア・・・。」

旅ガメ 「・・・。 (グリンに向かって)ま、まあ、もう働かなくていいんだから、よかったじゃん。」(←フォローになっているのかどうか分からないコメント)

グリン 「ハアハアハアハア・・・。」

オーナーとカメが話している最中も、グリン君はオーナーにべったり。 

オーナー 「どこへ行くにも、僕にくっついてくるんだ。」

とにかく甘えん坊の2歳児です。 これじゃあ、確かに牧羊犬としては勤まらないかも・・・。

カメの部屋は3階です。

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眩しくて分かりづらいかもしれませんが、窓からタウンウォールが見えます。

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とにかく可愛いお部屋で、カメは感激。 部屋にバスルームはついていないので、2階にあるトイレ兼シャワールームを使用。 

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掃除の行き届いた、清潔なバスルームです。

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シャンプーやシャワージェルもありました。

部屋に置いてあったティーセットで紅茶を入れ、しばらく休んでから市内散策へ、れっつらゴー! まずはお城へと向かいます。

途中に、市内案内図がありました。

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ウィによこそ!
# by kamenoko-ra | 2009-08-19 21:04 | 旅のお話